4/15 14:00
東京芸術劇場プレイハウスにて
<キャスト>
ヴァイオレット:三浦透子、屋比久知奈
フリック:東啓介
モンティ:立石俊樹
父親:spi
<スケジュール>(クリックで表示)
<東京公演>
東京芸術劇場プレイハウス
2024年4月7日(日)~21日(日)S席:13,500円
A席:11,500円
サイド席:9,500円
オンステージシート:13,000円
高校生以下:1,000円
<大阪公演>
梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
2024年4月27日(土)~29日(月・祝)全席指定:13,500円
オンステージシート:13,000円
<福岡公演>
キャナルシティ劇場
2024年5月4日(土・祝)A席:13,500円
B席:11,500円
オンステージシート:13,000円
<宮城公演>
仙台電力ホール
2024年5月10日(金)~11日(土)S席:12,000円
A席:8,000円
オンステージシート:12,000円
<あらすじ>(クリックで表示)
1964年、アメリカ南部の片田舎。
幼い頃、父親による不慮の事故で顔に大きな傷を負ったヴァイオレットは、
25歳の今まで人目を避けて暮らしていた。
しかし今日、彼女は決意の表情でバス停にいる。
あらゆる傷を癒す奇跡のテレビ伝道師に会う為、西へ1500キロ、人生初の旅に出るのだ。
長距離バスに揺られながら、ヴァイオレットは様々な人と多様な価値観に出会い、
少しずつ変化していく。長い旅の先に彼女が辿り着いたのは―。
今回三浦ヴァイオレットを観劇しました。
VIOLET自体は日本初演の2020年公演から4年ぶり。
2020年はコロナが流行し、観劇が叶わなかった人も多かったと記憶しているので今回念願の再演でした。
正直に言うと、再演時にキャストが変更されたことがショックでショックで…
あまりのショックにもう観に行くことは無いだろうと情報を遮断していたのですが、偶然歌唱披露動画を目にして「新キャストも良いじゃん…!」となり突如観劇を決めました(ちょろ)
前回の観劇から時間が経ったせいなのか、キャストが変わったせいなのか、管理人のメンタルが変わったのか、初演時とはかなり感じ方の違う観劇体験となりました。
座席も初演時は二階だったのに対し、今回は一階前方センターだったのでそのせいもあるかも知れません。
あえて前回の感想記事を読み返さないままこれを書いているのですが、このVIOLETという作品は明確に「差別」を題材とした作品なんだと強く感じました。
数年前は冒頭の映像にも、フリックに対する人々の態度にもこんなに深くは傷つかなったと思います。
役について
ヴァイオレット
三浦ヴァイオレットを選んだ理由が、「歌唱披露での歌声が少し前キャストに似ている」(過去の亡霊を追いかけてしまってすまない)だったのですが、当日聞いた歌声は思った通り少しハスキーかつ伸びやかな歌声でとても良かった…
管理人の中でヴァイオレットは夢見がちで、外見至上主義で、差別的で、無神経で、差別されていて、皮肉屋で、臆病で、傷ついている人。
そんな複雑なヴァイオレットの人物像を違和感なく演じていたと思います。
ヴァイオレット×父親
ヴァイオレットの演技で一番前回と違うと感じたのは後半の父親とのシーン。
『見てよ ほら見てよ パパからの贈り物を』
初演時はこの言葉に込められた愛憎が刺さって刺さって大号泣したのですが、今回の三浦ヴァイオレットにはそこまでの憎しみは感じませんでした。
何ならパパが好きだしパパと仲良かったんじゃないか?と思えるくらい。
パパも前回は24時間酔っぱらっている系の方?という印象で、どうしようもなさを強く感じたのですが、今回はぶっきらぼうなだけでヴァイオレットをちゃんと愛しているんだなと感じました。
最初から娘⇔父親の愛情が垣間見えるので、『お前にこんなことくらいしかしてやれなかった』と父親が吐露する時の、実は感は減っていたように思います。
尚、今回も管理人はこのシーンで大号泣しました。
ヴァイオレット×モンティ
立石モンティは凄く良かったですね?!
ストーリー上間男のようなポジションになるのですが持ち前の愛らしさで全然嫌いになれない。
『彼女を苦しめることになるんだぞ!』に対しての『でも彼女が苦しむ時、俺はそばに居ないから』が最高すぎる(泣笑)
初演時は「単に一晩の女を探しているだけ」「男としての力を誇示したい」ような雰囲気がありましたが、今回のモンティは本当にヴァイオレットのことを好きなんじゃないの?と思いました。
好きと言っても信念があるものじゃなくて、不安定でちゃらんぽらんでいい加減で、どうしようもなく子供だけど、それでもモンティなりにヴァイオレットが好きなんじゃないかと。
初演時はヴァイオレットが何故モンティと一晩を共にしたのか分からなかった(感情として共感できなかった)のですが、今回はまぁ人生にはそんなこともあるでしょう!と思えました。
これは管理人が歳をとっただけ…?笑
ヴァイオレット×フリック
東フリックも良かったですね…
チケットを取った一つの理由でもあります。
東さんは何度かお見掛けしたことはあるのですが、がっつり歌い上げる演目では初めてでした。とても声が良い。
管理人は初演時のフリックの歌声が好きで好きで好きで…この歌声を求める心を癒してくれる人はいない…と思っていたのですが東フリックにめちゃくちゃ癒されました。
フリックの曲(二つの生き方)は期待値が上がり過ぎていたのですが、全く歌い方が異なり、もはや別曲となっていたのでとちらも良い!とすんなり受け入れることができました。
東フリックの良かったところは、ヴァイオレットと恋仲に、モンティと友人に見えるところですね。
前キャストだとどちらとも歳が離れているように感じて、ヴァイオレットとフリックのシーンはずっとはてなマークが飛んでいました。で、最後で「あっそうなるんだ!?」って。
今回は徐々に惹かれあっていく二人の心の動きが良く見えたし、恋心前提で観ているのでぶつかるのもすれ違いも一つ一つの意味が分かりやすかった。
そしてラストシーンで結ばれて良かったと思えました。
ヴァイオレットの理想の顔を聞くところで、延々とモンティとフリックがじゃれついてる時がほんとクソガキ感が出ていて好きです。
この二人は階級とか肌の色とか関係なく友人なんだなぁと。
三人の歳が近く見えることで「三人組」感があるところも好きだったなぁ。
実際はモンティ、フリックでヴァイオレットを取り合うわけだけど、三人組としても素敵でしたよね。
その不安定な友情のようなものの中で、ヴァイオレットの夢を笑う二人が居たり、喧嘩したり、揶揄ったり、毒を吐いたり、相手のことを思ったり。
三人の中の色々な感情がクリアに観えて気持ち良かったです。
終わりに
再演として時間が空くことで、前回気が付けなかった部分に気が付くことができたり、前回受け取れなかった部分が受け取れるようになりました。
多ステではできなかったことだと思います。
良き観劇体験でした。