いいえ、その日は舞台なので。

舞台へ通う金欠庶民の感想ブログ

2023【ジキルとハイド】感想

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3/26 マチネ

東京国際フォーラム ホールCにて

 

<キャスト>

ヘンリー・ジキル/エドワード・ ハイド:柿澤勇人
ルーシー・ハリス:笹本玲奈
エマ・カルー:Dream Ami
ジョン・アターソン石井一孝
サイモン・ストライド:畠中 洋
執事 プール:佐藤 誓
ダンヴァース ・カルー 卿:栗原英雄

 

<東京公演>

東京国際フォーラム ホールC
2023年3月11日(土)~3月28日(火)

S席:14,000円/A席:9,000円/B席:5,000円

 

<名古屋公演>

愛知県芸術劇場 大ホール

2023年4月8日(土)、9日(日)

S席:14,000円/A席:11,000円/B席:8,000円/注釈付きB席 8,000円

 

<山形公演>

やまぎん県民ホール
2023年4月15日(土)、16日(日)

S席:13,500円/A席:9,500円/B席:7,500円/注釈付きS席 13,500円/U-25シート 5,000円

 

<大阪公演>

梅田芸術劇場メインホール
2023年4月20日(木)~23日(日)

S席:14,000円/A席:9,000円/B席:5,000円

 

<あらすじ>(クリックで表示)

19世紀のロンドン。医師であり科学者であるヘンリー・ジキル(石丸幹二柿澤勇人は、「人間の善と悪の両極端の性格を分離できれば、人間のあらゆる悪を制御し、最終的には消し去ることが出来る」という仮説を立て、研究は作り上げた薬を生きた人間で試してみる段階にまで到達した。

ジキルはこの研究に対して病院の理事会で人体実験の承諾を得ようとするが、彼らはこれを神への冒涜だと拒絶する。

ジキルの婚約者エマ(Dream Ami/桜井玲香の父親であるダンヴァース卿(栗原英雄のとりなしもむなしく、秘書官のストライド(畠中 洋)の思惑もあり、理事会はジキルの要請を却下した。ジキルは親友の弁護士アターソン(石井一孝/上川一哉)に怒りをぶつける。理事会の連中はみんな偽善者だと。

ジキルとアターソンは上流階級の社交場から抜け出し、たどり着いたのは場末の売春宿「どん底」。男どもの歓声の中から、娼婦ルーシー(笹本玲奈/真彩希帆)が現れる。

「(私を)自分で試してみれば?」というルーシーの言葉に天啓を受けたジキルは、アターソンの再三にわたる忠告にもかかわらず、薬の調合を始める。

赤くきらめく調合液。ジキルはひとり乾杯し、飲み干した。全身を貫く激しい痛み―息も絶え絶え、苦痛に悶えるジキル。腰が曲がり、声はかすれ、まるで獣 — この反応は一体何なのか!そしてとうとう現れたハイド。

そして、街では、次々とむごたらしい殺人が発生。謎に満ちた、恐怖の連続殺人事件にロンドン中が凍りつく。犯人は、ハイドなのか。エマや執事プール(佐藤 誓)の心配をよそに研究に没頭していくジキル。果たしてジキルの運命はいかに……。

ひとつの体に宿った二つの魂“ジキル”と“ハイド”の死闘は、破滅へ向けて驚くべき速さで転げ落ちて行く……

[引用元:https://horipro-stage.jp/stage/jekyllandhyde2023/#staff]

 

 

総評

『ジキルとハイド』人生初観劇でした。

まず特出すべきは柿澤さんの歌唱と演技力の高さ。まずこれだけで今回の観劇の価値がありました。暫くの間シングルで上演してきた演目ですが、好みはあれど納得の代替わりではないでしょうか。

この演目に柿澤さんを起用してきたのがもうね。キャスト発表された時点で最高なのが目に見えてた。全員が分かってた。約束された勝利。

 

上から目線みたいになってしまうのだけど、柿澤さん成長したんだなぁ…としみじみ感じました。低音も高音も抜群に出ていた。柿澤さんのあんなに太くて低い声を聞いたのは初めてかも知れない。他の演目であそこまで低い音を継続して出すことってなかったんじゃないかな。

ジキルとハイドが交互に現れる場面はまさに圧巻。二幕でジキルとハイドが交互に現れ二人が会話をするシーンがあるのですが、あれって一人で喋っているだけなので下手をすれば滑稽にも見えるはずなのに、声も話し方も全然違ってしっかりと人格が2つあるように観えるんです。ずっと鳥肌が止まりませんでした。

 

 

戯曲について

ルーシーとハイド

勝手にルーシーはハイドのことを好きになると思って観ていたのでジキルの事を好きになっていて驚きました。

女性が二人いて二人ともジキルを好きになるのなら二人いる意味とは?

てっきり善に惹かれる女性と悪に惹かれる女性とで善悪の二面性をより表現するのだと思っていたのですが。

因みに原作では婚約者のエマも娼婦のルーシーも出てきません。舞台オリジナルだからこそどうしてそのような設定にしたのかと気になりました。

逆にエマがハイドを、ルーシーがジキルを好きになる展開でも面白そうなのになぁ。

 

結婚式

管理人はジキル自体はあまり刺さらなかったのですが、理由としてはジキルは強い人なんですよね(弱さや脆さのある役に惹かれがち)

個人的にその強さが際立っていたのが結婚式かなと。

今までの殺人は自覚していないとしても、ルーシーは確実に自分(ハイド)が殺したと分かっているわけですよね。それなのに普通その後に結婚式を挙げますか?どういう神経?バレなければ何をしても良いと思っているタイプかな?お前が一番怖いよ

 

ラストシーン

管理人が「愛する人に殺されるエンド」が好きなこともあるのですが、ラストシーンはエマがジキルを殺した方がよくないですか?

なんで全然関係ない(関係なくはない)親友に殺されないといけないの。

しかもこの親友、ジキルが殺してくれって頼んだ時に「俺にはそんなことできない」って一度フェイントをかけてからの銃殺するじゃないですか。しかも三発も撃つし。なんだお前は。下手くそなのか。一発で殺すか両足を打ち抜いて生かしてやってくれ。

 

エマは聖母すぎて人間味がなかったですね。あんなに強く愛という存在を信じつつ狂っていない人は珍しい(いやある意味狂っているのか?)

ジキルが死ぬ時もすんなりとその運命を受け入れている感じがしました。

 

 

終わりに

戯曲的には強く惹かれるものはなかったのですが曲の格好よさと柿澤ジキルの素晴らしさは本物です。

2023年の東京公演は終わってしまいましたが地方公演もありますし、またこの先も再演として柿澤ジキルを観ることができると思うので気になった方は是非劇場に足を運んでみてください。