いいえ、その日は舞台なので。

舞台へ通う金欠庶民の感想ブログ

2021【ジャック・ザ・リッパー】感想+α

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9/23 マチソワ

9/26 マチネ

日生劇場

 

10/10 マチネ

フィニーチェ堺にて

 

お久しぶりです。

JtRに3ヵ月近く狂っていたらあっという間に11月も終盤になっておりました。

何やかやで1年半ほど経っておりました。時間の経過が怖すぎる。

ツイッターをご覧の方は管理人の狂い具合をよくご存じかと思いますが、この記事を書くにあたってチケットを引っ張り出したところ、合計で5回しか観劇していないことが分かりビビりました。

この3ヵ月毎日のようにJtRの感想を呟いていたように思うのですがこの記憶は一体…?(そして1年半経った今でも呟いている)

 

配信が終わった後も記憶を反芻することで生きながらえていたため本記事では煮込みこまれた感想のまとめと管理人の幻覚をお送りします。

強い幻覚部分は一応たたんでおきますが、二次創作的な妄想が苦手な方はご注意ください。

 

ストーリーのツッコミどころについては前回の記事で書いているので良かったらどうぞ。

tigira-it.hatenablog.com

 

 

ストーリーについて

前回ツッコミまくったストーリーについてですが、この3ヵ月間1年半JtRと向き合い続けて出た答えは「もはや辻褄が合わなくていい、寧ろ合わないでくれ」ということです。

観劇した個々の中でこうかな?ああかな?と考えることは楽しいけれど、公式からの答えは永遠に出なくて構わない…そんな境地に至りました。

 

かといってこの戯曲を全肯定する訳ではないのですが…

しかし戯曲はクソだけど自分は好き!という感覚でもなく。

戯曲がクソなところ“が”好き!という表現が一番近いかも知れません(語弊)

実際JtRの戯曲が理路整然としていたら管理人がここまでハマることは無かったと思いますし…演目との出会いって不思議ですね。

 

 

ツッコミ

その上で前回ツッコミそこなった部分についてツッコんでおきましょう。

  • 「二日前俺は悪魔に出会った」

言わずと知れたアンダーソンくんの台詞ですね

1881年(7年前)

 ④ダニエルの過去

⇒8月3日(1カ月前)

 ⑦ダニエルがグロリア、ジャックと再会

⇒9月2日(2日前)

 ②3人目の被害者

⇒9月3日(1日前)

 ③4人目の被害者 ⑧捜査協力 ⑤事情聴取 ⑥二幕冒頭、捜査協力

⇒9月4日(現在)

 ⑨ジャック逮捕計画 ⑩新聞記事の用意 ⑪目印の花 ⑫ポリーの死

 ⑬ジャックザリッパーの正体 ⑭研究所 ⑮死

 ①一幕冒頭

そして上記がJrRのストーリーを時系列順に並び替えたものです。

この台詞が使われる一幕冒頭から計算して2日前というと3人目の被害者が出たタイミングになります。つまりアンダーソンくん、2日前はモンローにしか会っていません。

どう考えてもこの場合の「悪魔」ってジャック(もしくはダニエル)のことを指すと思うのですが…。

 

連続殺人鬼の話をシリアスにしている最中、急にモンローに揺すられたことを思い出して悪魔呼ばわりしちゃうアンダーソン……無理がある。そんなの面白くなっちゃうでしょうが。

ひょっとして管理人の把握する時系列が間違っていたりしますでしょうか?

「辻褄」についてはずっと考え続けていることですがこのセリフだけは謎のままです。何か良い解釈がある方はぜひ教えてください。

 

 

アンダーソン=ジャック説

備忘録的にこの話題にも触れておきます。

辻褄を合わせるという点ではこの説が最も有力ではないかと考えています。

 

まず、最初の被害者「メアリー・アン・ニコルズ」について。

5人の被害者の内メアリーだけがフルネームを上げられていることから、重要な人物だと考えられること。

そしてメアリーの愛称はアンダーソンの元恋人の名前と同じ「ポリー」であること。

そのことからアンダーソンが何らかの理由でポリーを殺害してしまい、その後の出来事(つまり劇中の全て)はアンダーソンの見る幻覚なのではないかという説です。

 

そう考えると最初のアンダーソンとポリーとの会話も納得ができます。

ポリー「いつ終わるの?」

アンダーソン「何が」

ポリー「この酷い悪夢」

アンダーソン「犯人が捕まったら」

ポリー「いつも同じ答えばかりね」

正直アンダーソンを責めるポリーに対し、そんなこと言われたって犯人が捕まらなかったら事件は終わらないじゃないですか…と思っていたのですが

これはアンダーソンが繰り返し見る幻覚について「いつ幻覚から覚めて現実を見ることができるのか」というポリーからの問いかけなのではないか。

力を貸そうか?と問うポリーを残し立ち去るアンダーソンに対して「卑怯者」と罵ることも納得ですね。

アンダーソンは自身がポリーを殺したことを認めることが出来ずに無意識の逃避をしている。

 

とまぁここまで書きましたが冒頭でも述べた通り「もはや辻褄が合わなくていい、寧ろ合わないでくれ」という気持ちがあるので正解は出さなくて良いしそんなものは無いと思うのでそれぞれがそれぞれのJtR像を大切にしていけば良いと思います。

 

 

JtRの伝えたかったもの

作者はこの演目を通して何を表現したかったのか。これは初見の時からずっと考えていることなのですが、一つの答えとして管理人が出したのはこの演目は人の「エゴ」を題材にしているのではないかということです。

ジャックを含め、登場人物がみんなエゴのために動いているんですよね。それが良いとか悪いとか、良い人とか悪い人とか分かりやすい区切りは無くて、全員がエゴイストなんですよ。

 

グロリアが『あの日あなたがくれた希望が 絶望の淵へ 落したの私を』と言うところなんてエ、エ、エゴイスト~~~~~~!と思って大好きです。

大阪楽のグロリアはこのフレーズに一層憎々しい色が入っていてとても良かったですね…

そんな中、自分のためではなく「他人のために」と行動をとったダニエルだけが道を踏み外していくのは面白いですよね。

 

 

 

各役について

Wキャストの話が!したい!します!

 

アンダーソン

松下アンダーソンと加藤アンダーソンの違いは、

松下アンダーソンがよわよわちゃんなのに対して

加藤アンダーソンは強強だということです。

でも実際のメンタルは多分加藤アンダーソンの方が弱い。弱いからこそ強さで武装している訳ですよ。

 

空から降って来た白い物体に『雪だわ!』とはしゃぐポリーに対し、アンダーソンが『雪なんて降るわけない』と言うシーンがありますが、

松下アンダーソンは半ば独り言のような雰囲気で、冷静に状況を説明しているだけなのですが

加藤アンダーソンは『雪なんて降るわけない!!』って扱き下ろしたようなバチクソに強い当たりで

ポリーが嫌いなのはお前のそういう所だからなァ!!!!!!!!!と毎公演叫びたくなりました。それが未練タラタラな元カノに対する態度か?お?

加藤アンダーソンはモラハラの素質があると思います。

 

 

Wの違いとしてはクラブのシーンも印象的でした。

加藤アンダーソンはつまんねぇなと思いつつ一応ショーを見ていますが、
松下アンダーソンはずっと俯き加減でしょぼしょぼしているのでお前は何でこんな騒がしいところに来ちゃった?お店選び間違ってるよ!早く帰ってコカインでも吸いな!ってなる。

松下アンダーソンは何故だかいつも目元に泣きだしそうな色があるんですよね…ヒモとしての才能があると思う。

 

クラブでアンダーソンにモーションをかけて来るお姉さんが居ますが、松下アンダーソンにモーションをかけるのメンタル鋼すぎません?そんな今すぐにでも泣き出しそうな人にグイグイ行く?

 

その後「ああその人は大丈夫だからステージに戻って?」という風にお姉さんをエスコートする黒服さんが現れますが

加藤アンダーソンに対しては「この人は(女の子目当てに来てる人じゃないからモーションかけなくて)大丈夫」ってニュアンスで
松下アンダーソンは「この人は(そっとしておくべきだから触れなくて)大丈夫」ってニュアンスに観えました。

 

 

どちらのアンダーソンも結局自己憐憫くそ野郎(好き)なことに変わりないのですが

加藤アンダーソンは「俺は何も悪くない!」ってタイプで
松下アンダーソンは「全部オレが悪いんだ…」ってタイプ。

 

その上で加藤アンダーソンは死ぬって決めたら絶対死ぬマン(死なないでと言われると一層燃えてしまうし、死ねって言われてもやってやらァ!ってなるから止まる術がない)になるけど
松下アンダーソンは「辛い…鬱だ…俺が死ねばみんな幸せになる…死んだほうが良い…」とか言いながら絶対に死ななそう。

松下アンダーソンの方が(ヒモ的な意味で)可愛げがあるので管理人は松下アンダーソンに幸せになって貰いたいですね。

ポリーのことを考えると正直どちらも選ばないのが一番いいと思いますが。

松下アンダーソンとポリーはワンチャン友人に戻って上手くやっていけると思いますが、加藤アンダーソンは良い意味でも悪い意味でもポリーを女としか見ていないので友人には戻れなさそうです。

 

ここから幻覚(クリックで表示)

そんなアンダーソンくんのバックボーンについて考えてみましょう。

まず階級。アンダーソンくんの階級は「警部」です。警部といえばノンキャリアでは上から3番目ですがキャリア組としては下から2番目というポジションです。

 

加藤アンダーソンのお父さんはノンキャリアで勝ち上がってきた人なんですよ。

しかしノンキャリア故、トップへ上り詰めることはできなかった。そこでそこそこの権力をもつ家のお嬢さんと結婚します。

そして自分の子供には大出世して欲しいと夢を託すわけです。

 

しかし加藤アンダーソンは上司に媚びを売るのが目茶苦茶下手くそな上に正義感が強いため上手いこと出世できません。

漸く足がかりが掴めたというタイミングで大きなミスを犯し、人生の挫折を味わいます。

そうこうしている内に父は他界。母は実家に戻り疎遠になっています。

期待をかけてくれた父に晴れ姿を見せることができず、母とは距離感が分からないままの加藤アンダーソン(可哀想)

松下アンダーソンの方は逆にお父さんとは疎遠でお母さんの方と関係が強そうですよね。

 

前回の記事でもツッコミましたが、加藤アンダーソンは強強なのでポリーが死んだ時も「ちくしょう」じゃないが??お前のせいだが??としか思えなかったのですが、

10/10の大阪千穐楽では今までのように「ちくしょう!」と犯人に対する怒りの気持ちで叫ぶのではなく「ちくしょう…っ」とポリーを守れなかった自分の無力さに対する「ちくしょう」が出ていて最高でした。完全なる解釈の一致。

大阪での加藤アンダーソンは一回しか無かったのに、その一回に演技変更を持ってくる加藤さんの凄さよ……

 

大楽の加藤アンダーソン、やつれ具合も過去一で凄く良かったんですよね。髪切られてましたよね?そのせいかな。
東京は序盤やつれていて中盤から綺麗になって後半若干やつれて…って感じだったけどあれは何がそう思わせてるんでしょうか。

加藤アンダーソンの『何年ぶりのロンドンだ』が艶があって気だるくて見下したニュアンスがあってセクシーでとても好き。何回でも聞きたいパート。

 

 

アンダーソンがポリーと別れ、ヤクを始めたタイミングについて。

管理人はずっとポリーと別れたことが引き金になってヤクを始めたと思っていたのですが、ポリーと別れる前からヤクやってた設定も良いですね。

加藤アンダーソンはヤクの使用量が増えすぎてバレて互いにぶつかり合って別れた。

松下アンダーソンはふとした時に隠していたヤクか見つかってバレて、言い訳も言い合いもすることができずにアンダーソンが一方的に逃げ出したと予想。

 

ポリーについても管理人はアンダーソンと別れた後に娼婦になったと思っていましたが、出会った時から娼婦だったというのがしっくり来るかな。

そう考えると養う気も無いのに彼女に仕事をやめろとかどの立場から言ってんの???*1とアンダーソンへの評価が下がるので良いですね。7年?引きずるくらいならさっさと結婚を申し込んで俺が養う!って言っておけば良かったのに…(それができるアンダーソンはアンダーソンではない)

 

 

 

ジャック

堂珍ジャックは「影」で、加藤ジャックは「闇」という印象でした。

二幕で堂珍ジャックはあくまでダニエルが主体であるのに対し、加藤ジャックはジャックが主体でジャックがダニエルを操っているように観えました。

 

堂珍ジャック

二幕の堂珍ジャックは「影」だから、話す時は生き生きとしていてもスッと抜け落ちるみたいに表情が消えるし、後半のカオス部分も興味なさげに周りを眺めている。

堂珍ジャック、しゃがんだり座ったりする時のモーションが格好いいんですよ。テーブルに乗る時も反動がなく動きがスムーズで重心移動が綺麗。生きていない感じがして好きでした。

 

堂珍ジャックはね、初見時えらく声が良い人がいるなーと思っていたくらいだったのですが、時間が経つにつれ堂珍ジャックの歌が頭から離れなくなりチケットを追加し遠征し中の人にまで沼落ちさせた罪深い役です。本当にこんな筈ではなかった。

 

当時の粗ぶりツイートを一部載せておきますね…

 

 

 

 

 

本当に声が!歌が良い!堂珍ジャックの『胸が高鳴って』だけでご飯が食べられる。ジャックの曲自体ロック調で格好いいのにこんな格好良く歌われた日には落ちるもやむなしですよ…

ジャックの声は中の人の普段の声と全然違うことも驚きポイントですよね。喉をやられずに完走できて本当に良かった。

 

どこの立場からものを言ってるんだ案件ですが、堂珍ジャックは回を増すごとにマントの捌き方やステッキの扱い方が良くなっていたと思います。

ステッキで床を鳴らすシーンが何度かあるのですが、初めは鳴らす音が小さめで少し物足りなかったものの後半ではキメて欲しいところの音はしっかり出るようになっていました。

尚ステッキの音が最も良く出ていたのは大楽の「本編後」の歌唱シーンです。そこで一番出してくるの面白すぎません?

 

ステッキといえば、「カオス」でアンダーソンを殴った後のステッキを堂珍ジャックが拾って、持ち手部分をなでなでしてる時があって大変可愛かったですね。

それ大事な物なんだぁ 大事だけどダニエルくんに貸してあげたの…偉いねぇ…偉いねぇ…(くしゃくしゃな顔)と観ていました。

 

ここから幻覚(クリックで表示)

そんな堂珍ジャックのバックボーンですが、堂珍ジャックは孤児です。

赤子時代に道端に捨てられ孤児院で保護されますが、生まれつき赤い目のせいで散々な目に合い、ついに孤児院からも追い出されます。

孤児院から離れた後は浮浪者に交じって悪事を働きながらも細々と生きていきます。なんとか青年にまで成長したジャックでしたがある日空腹と過労により倒れます。

そこで救いの手を差し伸べてくれた女性がいました。女性は町の片隅で小さなパン屋を営んでおり裏の世界とは無縁の人間です。

女性はジャックを保護し、純然なる善意でジャックの面倒を見始めます。が、ジャックはその生い立ち故愛というものが分かりません。

彼女がなぜ自分に優しくするのかも、彼女のそばにいると心がざわめく理由も分からないわけです。

そんなある日、ジャックは不慮の事故により彼女を殺めてしまいます。

両手に感じる彼女の血の温かさに触れジャックは理解します。これこそが「愛」なんだと。

~Fin~

ここから堂珍ジャックの「愛」を求める人生が始まりますね。

不慮の事故に関しては堂珍ジャックが人に触れられるのを極度に嫌っているが故に起きたものと想定します。振り払った拍子に彼女が食器棚にぶつかり死亡、落ちてきた食器類で血みどろになったとかね。

 

ここまで読んで一体何を見せられているんだろう?と思った方も居ると思いますが大丈夫です。管理人も何を見せているんだろうと思っています。

堂珍ジャックは殺しの手口にスマートさがあまり無いような印象があって(どちらかというと野性味があって)、タイが緩めだったり、カッチリと着込んでいないのでこういった生い立ちだと考えれば辻褄が合うかなという妄想でした。

警官との戦い方を見る限り、物理的な攻撃力はそれほど高くなく、誰かに殺し方を習ったとかそういうことでは無さそうだなと。

他にも、最初にジャックがダニエルと出会った際、近づいてくるダニエルに対し堂珍ジャックは距離をとるようにステッキを構える(ダニエルを押し返す)ので人に近寄られたくない、触れられたくないのかなという印象を受けました。

その後は全然人に触りますけどね、自分から行くのはOKということで…。

 

 

加藤ジャック

加藤ジャックは「闇」で元から人では無いのではないかという気すらします。ロミジュリでいう「死」のような。人々の負の感情が具現化したものと言いますか。

人は誰でもジャックになり得る、狂気は誰にでも潜んでいる、ということに焦点を当てているように感じました。

加藤ジャックは黒フチのカラコンをつけているので視線が分かりにくく普段の舞台より表情が読みにくいです。狙ってあの不思議な雰囲気を出しているのだとしたら凄いですよね。終始ニヤニヤ笑っているのも加藤ジャックの不気味さを際立たせていて好きでした。

 

加藤ジャックのマント捌きやステッキの扱いは流石としか言いようがなかったですね。

堂珍ジャックが「静」なら加藤ジャックは「動」。

全ての動きがダイナミックで分かりやすい。

娼婦の足を持って引きずる(物凄く好き!)シーンでジャックは舞台奥から手前に歩いてくるのですが、普通にまっすぐ手前に歩くとジャックと娼婦がかぶって観えにくくなってしまうのですが

加藤ジャックは手前に歩きつつ横方向にも動いてくれるので喉を切り裂かれてもがく娼婦の様子が良く観えて大変に良きでした。ありがとうございます。

 

ステッキで音を出す場面もモーションが大きいので今から音が出るぞってことが分かりやすくて良かったですね。

公演中ステッキを強くダンッとやり過ぎて取っ手部分のドクロの顎が外れるなんてこともありましたね。ステッキの音量ってテクニック的なことだと思っていたのですが単純な腕力なんですか?加藤ジャック強い(物理)

警官と戦うシーンの加藤ジャックめちゃくちゃ強かったですよね。拳にスピード乗り過ぎ問題。この人ナイフ要らないでしょ。素手で人殺せるよ。

銃で撃たれた後も堂珍ジャックはふフラついて川に落ちた印象でしたが、加藤ジャックはニヤニヤ笑いながら自分の意思で落ちたように観えました。加藤ジャックは絶対一幕以降も生きているし何なら数千年は生きる。

 

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加藤ジャックは貴族の出身だと思うのですが、何故加藤ジャックが加藤ジャックになったのかを考えてみました。

加藤ジャックは温和な両親の元、絵に描いたような幸せな家庭に生まれます。幼少時からお母さんに「笑顔は人を幸せにするのよ。だからいつも笑顔でね」と言われて育ったジャックくん。「そうか、笑顔は人を幸せにするんだな」と素直に受け入れスクスクと育ちます。

 

最初のきっかけは飼っていたペットが死んだ時。もう動かないペットを見てなんとも言えない高揚を感じます。生まれた時から一緒に居るペットが死んだにも関わらず泣くことも落ち込む様子も無くニコニコと過ごすジャックくんですが、周りの大人は「本当は辛いのに明るく振る舞って…」と好意的な解釈をするので問題にはなりません。それからジャックくんはひっそりと動物を殺すようになりました。

 

次のきっかけは葬儀に出くわした時。馬車に乗り移動の途中、偶然葬儀に出くわしたジャック青年。夫の墓の前で泣き崩れる妻を目にしたジャックくんは又もや高揚を感じます。そこでこう思いました。「ご主人と同じ場所に彼女を連れて行ってあげなければ」。

ここで殺人デビューに至ります。勿論“その時”は笑顔で。笑顔は人を幸せにしますからね。

 

堂珍ジャックは後天性のヴィランで、加藤ジャックは先天性のヴィランだと思っているので、加藤ジャックは生まれつき殺人の素質があったと解釈しています。貴族の生まれなので武術は一通り習えるでしょうし、攻撃力の高さや行動のスマートさも説明できるかなと思います。

ジャックは殺人の対価に大金を要求しますが、加藤ジャックはあくまで趣味の一環として殺しをしていそうですね。

 

加藤ジャックは昼間、貴族として申し分ない働きをしていそうだし女性にはモテる(遠くからキャーキャー言われるタイプ)し、人に紛れてしれっと生きていそうですが

堂珍ジャックは人と関わらずに生きていそう。殺し一本で稼いでいるか、昼間も裏の仕事をしているんじゃないでしょうか。

 

二幕、獣の声が聞こえて
「おや、良い月夜だな」って今狩りに行くことを決めたのが加藤ジャックで、

「時間だ…!」って元々決めていた時間になったので狩りに行くぞってなるのが堂珍ジャック。

ここでも加藤ジャックの自由さを感じるし、堂珍ジャックの方が根が真面目でしっかりとお仕事をしていそうだなと思います。

 

 

 

ダニエル

ダニエルはもう可愛くて可愛くて意味が分からないくらい可愛かったです。こんなに可愛くて大丈夫か?闇市に売り飛ばされないか?と心配するレベルで可愛い。

グロリアに恋するお花畑ソングなんて可愛くってずっと観ていられますね。結婚してくれ(グロリアと)

 

『今も胸が痛い あぁ』の「あぁ」の部分、木村ダニエルは愛おしすぎて切ないって気持ちが乗っていて大好きです。二幕のグロリアの「あぁ」とも綺麗に重なる。

小野ダニエルの「あぁ」は少し照れ笑いが入っていてあたたかくて丸い。だから二幕ラストのグロリアとは重ならないんだけど、幸せだったあの時と今の落差を感じられてこれまた良い。

 

全体的に木村ダニエルは良い所のお坊ちゃん、小野ダニエルは平民から努力で上がってきた医大生という印象でした。

小野ダニエルはコートのサイズが合っていない(袖が長い)ところからも苦学生っぽさが出ていると思います。

コートのサイズに関しては

 →兄か父のお下がりである可能性(管理人は兄説を推したい)
 →裕福な家庭では無いため新しいコートが買えない。大学も奨学金のような制度を使っているかも知れない。
という解釈をしているのですが、公式がどういうつもりであのコートを採用したのかは依然気になるところです。

管理人は木村ダニエルが大金の入った鞄をホイホイ友人に預けるところ、反対に小野ダニエルが鞄を手放さないところが大好きなのですが、そういうところでも坊ちゃん感と苦学生感が出ていると思います。

 

木村ダニエルは泣いたり苦悩しながらも最終的に「だってしょうがないじゃないですか!!!!?」みたいに逆ギレしてくるイメージで倫理観が欠如してて好きです。

木村ダニエルは「だってしょうがない」、小野ダニエルは「愛のためです」って真っ直ぐな目で答えそう。

 

 

グロリアについて

グロリアがああなったのは自身の行動のせいなのに、どうしてダニエルが過剰に自責するのかずっと不思議だったのですが、ひょっとしてダニエルはグロリアがジャックを警察に売ったことを知らない可能性あります?グロリアとジャックの会話を聞いていなければきっと最後まで知らないままですよね。
自分が臓器入手の依頼をしたからグロリアが狙われたと思っていて「僕のせいだ」と言っているのかな。

 

 

 

終わりに

初見時はツッコミどころしか無く半ば切れていたので、まさかこんなに立派なJtR好きオタクに育つとは思ってもみませんでした。初見時に不満を思い切り吐き出せたのが良かったのかな。反動で大好きな演目になってしまった。公演から1年半経った今でも映像を観てきゃっきゃしております(ありがとうWOWOWさん)

 

こちらの記事は随分前に書いていたのですが、あまりの長さに途中で放棄しておりまして…。しかし立派なJtRオタクになった身としては一度JtR大好きだよ記事を出しておかねばならぬと思ったのでした。フォロワーさんと何時間も語らったあの時間を無駄にしてはならない。

とんだお目汚しでしたが書き残すことに意味があるのだと思っています。ここまで読んでくださった方がいるか分かりませんが、お付き合いいただきありがとうございました。JtRはいいぞ!

*1:女性の働き口が無かった時代の話